夢と現実を見て、計画された偶然を作り出せ!(後編)

前回に引き続き、計画された偶然(プランド・ハプンスタンス)についてお話しいたします。

予期せぬ偶然をキャリア形成の機会として活かせるか、否か。その分かれ道はどこにあるのでしょうか。

▼前回の記事はこちら▼

夢と現実を見て、計画された偶然を作り出せ!(前編)
今日はキャリアデザインの話です。 ある自治体様から、今夏と来春にそれぞれ約200名の方へ、キャリアデザインの研修を行うお話をい...

無限の可能性の場

これまで述べてきた通り、私たちが「どういう人になるか」「どういう生き方をするか」は、偶然によって作られます。

しかし、それは「偶然の出来事に流されるがままに生きましょう」という意味ではありません。

偶然の良いことが起これば良い人生になり、偶然の悪いことが起これば悪い人生になる。
そういうことではないのです。

偶然の出来事はただのきっかけに過ぎません。もっと大切なのはそれに対して、

  • どのように感じたか
  • どのように考えたか
  • どのように行動したか

という点にあるのです。

いかなる出来事に対しても、どのように対応するかには選択肢があります。

私たちは意識的に、あるいは無意識のうちに、数ある選択肢の中から一つを選んでいるのです。

例えば、ある妻子ある男性が、会社から転勤を言い渡されたとします。

そして、妻も子どもも、今の環境を離れたくないと思っているとします。

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すると、そこには、

  1. 転勤に応じる
  2. 転勤を断る

という2つの選択肢が存在することになります。

そして、それぞれについて、

1-1.転勤に応じ、家族と一緒に転居する
1-2.転勤に応じ、単身赴任する

2-1.転勤を断り、職場に留まる(おそらく、立場や待遇が悪くなります)
2-2.転勤を断り、転職を志す

といったように、さらなる選択肢が現れます。

また、その選択肢にもさらなる選択肢が出現します。このように、選択は連鎖的にどんどん続いていくのです。

もし、生まれてから天寿をまっとうするまでのすべての分岐を辿っていくとすれば、とりうる選択肢の数はほぼ無限に存在すると言えるでしょう。

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つまり言い換えれば、私たちはみな

無限の可能性の場に生きている

と言うことができるのです。

点と点を結んで線にする

どのような選択肢を取ったとしても、仕事も家族も自分の人生も、すべてが大きく変わっていきます。

そして、自分がどの選択肢を取るのかは、日頃から自分がどんな人生を望んでいるかによって決まってくるのです。

例えば、ワークライフバランスを重視した生き方を望んでいる方は、仕事における意思決定を家庭や生活、地域や友人のコミュニティとの両立ができるかどうかで判断しますし、

地位や名声、富を重視した生き方を望んでいる方は、仕事における意思決定を、自分の成功にいかに結びつくかで判断します。

大きな決断から、小さな決定まで、あらゆる選択肢が自分の望む方向性に導かれるように決められていきます。

そして、将来に対する想いや欲求が強く、そのイメージが鮮明であるほど、あらゆる偶然の出来事について、常に一貫した基準に基づいて選択を重ねるようになり、

点と点が結びいて、「望む生き方」という一本の線を織りなしていくのです。

この場合、自身のキャリアにおける重要な場面を後から振り返った時、

「あの時こうなったから、いま自分はこうなることができた」

と、あたかもシナリオ通りであるかのように、偶然の出来事を捉えることができます

つまり、明るい将来を夢を見ることは、「偶然の出来事」を「予定調和のチャンス」に変えてくれるものだと言い換えることができるのです。

これが「計画された偶然」の言わんとするところなのではないかと、私は思います。

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逆に、日頃から自分の生き方に対する展望を描いていない場合、偶然の出来事への対応が場当たり的になります。

なんとなくの気分や周囲の人目を気にした選択肢を取ってしまうため、一つひとつの選択に一貫性がありません。点は点のまま、文字通り「点在」してしまい、線として繋がらなくなってしまいます。

その結果、偶然の出来事はただの偶然で終わってしまい、自分をより良い方向に導くチャンスとして活かすことは難しくなることでしょう。

逆説的ですが、偶然の出来事をチャンスとして活かせるかどうかは、日頃から自分の将来をどう考えているかが大きく影響してくるのです。

夢も見て、現実も見る

このように、「計画された偶然」を活かして望むようなキャリアを形成していくためには、

  • 自分の望む将来を夢見ること
  • 現実にある機会を活かすこと

の両方が必要となります。

夢だけ見て現実を見ない人は、絵空事を言うばかりで、現実を動かす力が乏しくなります。

言うことは崇高ですが、具体的な行動に結びつかず、いつまでも言葉を唱えているばかりになってしまいます。

現実を作るのは行動です。そして、行動は現実に目の前にあることに対してしか、行うことができないのです。

いきなり大きなことはできません。大きなことをするためには、まず自分が大きな人間にならなければならないのです。

そして、空想だけでは人は大きくなれません。人間の器を大きくしてくれるのは、目の前にある日々の仕事・生活・人間関係なのです。

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一方で、現実だけ見て夢を見ない人も、自分のキャリアを自分のものにすることができません。

目の前にある現実に対して、ただ反応的にやり過ごすことだけを考えているため、

  • 無難に終わるように
  • 周囲と波風を立てないように
  • いま自分の理解の範囲内でとどまるように

物事に取り組むようになってしまいます。

自分に負荷をかけることがないため、能力も人格も成長せず、仕事や人間関係、お金のステージが上げることが難しくなります。

その結果、単なる「便利な人」として、周囲に振り回される日々を送ることになってしまうのです。

  • 夢を見ること
  • 現実を見ること

どちらも欠かすことができません。

大きな夢を掲げながら、現実に対して前向きに取り組んでいく時、

予期せぬ偶然の出来事は、きっと私たちの味方となって、望む将来に導いてくれることでしょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。