競合なんて見なくていいから、自社の商品を徹底的に理解しよう

8月は時節柄コンサルティングや研修の仕事が少ない時期なので、下期や来年に向けて営業活動をしていました。

営業活動というと、近年は「商品の差別化」について語られるのをよく目にします。

似たような他社商品と比べて、自社の製品がどう違うのかを明らかにし、その良さを伝えることが重要だという意味です。

確かに、近年はモノが豊富な世の中になり、似たような商品が溢れてかえっています。

モノに限らず、店舗や病院などにおいても、お客様は無数の選択肢を持っていると言えます。

よって、お客様は「類似する商品やサービスの中で、どれが自分にふさわしいのか?」を判断し、購入を決めることになります。

営業職は、自社の商品やサービスを選んでもらえるよう、他社よりも優れている点、他社との違いをお客様に打ち出す必要がある・・・というのが、「商品の差別化」を唱える方の考え方です。

しかし、私の考えでは、こうした差別化営業がうまくいくことはあまりありません。

むしろ、営業職は競合を見てはならないとさえ思います

相対的な価値ではなく、絶対的な価値に目を向ける

かのピーター・ドラッガーはこう言ったそうです。

競合相手を意識しているならば、すでに競合に負けている

他社との違いや優位性を訴えるということは、自社の商品が「相対的」に優れていると言っているにすぎません。

言い方を変えれば、何かと比べない限り、良いところを説明できないということになります。

この場合、たとえ現状では自社の商品やサービスが競合他社より勝っているとしても、他の会社がより優れたものを投入してきた瞬間に、一気に負け組になります。

本来、商品やサービスはお客様にとって「必要だから」買っていただけるわけです。したがって、訴えるべきは相対的な「違い」ではなく、絶対的な「必要性」なのです

競合との違いについて調べたり考えたりする時間があるのなら、その分、自社の製品やサービスに対する理解を深めて、お客様にどんな価値を提供できるかを考えた方が効果的だと言えます。

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商品に対する理解を深める方法は極めて簡単です。

「人に説明する」
→「質問に答えられない、あるいはうまく伝わらない経験をする」
→「自社製品についてもっと調べる。または、自分で使ってみる/やってみる」
→「再度、人に説明する」

この繰り返しです。

こうして理解を深めていくと、商談の場では自社の商品やサービスのメリットや提供できる価値についていくらでも話せるようになります。効果や事例を話し出したら、時間がいくらあっても価値を説明しきれない・・・というくらいの状況になります。

競合の話などしている隙が生まれません。「絶対的」な価値を打ち出すことができるのです。

私は、自分の競合がどこなのかをほとんど知りません。他社がどんな商品を出しているのかなど考えたこともありません。

競合は競合でうまくやっていてくれれば良いのです。それによって、職場の問題が解決する人がいて、成長する人がいるならば、それはそれで良いと思います。

実際、商談の場で「他社の商品と比べて何が優れているのですか?」などと聞かれたこともありませんし、もし聞かれても「考えたこともありません」と答えるでしょう。

「お客様の問題を解決するために、自分が提供できることは何か」だけを考えていれば、自分の持っている価値は十分に伝えられます

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仮にお客様から「他社はこうだよ」と言われたならば、「それは知りませんでした。勉強になりました」と答えればいいのです。

比較するのはお客様にお任せして、自分たちが提供できる価値に焦点をあてましょう。

他人と比べずに、自分のことに目を向ける

そしてこれは、商品やサービスに限った話ではありません。人間そのものについても同じことが言えます。

他の誰かと比べて、自分の方が優れているとか、勝ったとか言っている限り、絶対的な自信や能力を持つことはできません。

もっと優れた人が現れたその瞬間に、自分は劣っている存在になってしまいます。

しかし、自分が今までしてきた学習、訓練、経験そのものに目を向け、「自分はこれだけのことをやってきた」と思えたならば、他人が優秀であろうとなかろうと、「自分もなかなかのものだ」と捉えることができます。

これが自分に対する絶対的な信頼になり、それが良い仕事、良い人間関係を生み出してくれます。

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考えてみれば、他人の悪口を言う人を信用しようと思いませんし、他人と比べて自分が優れていると言っている人を「すごい」とは思えません。

他人と比べることに意識や時間を向けるくらいなら、自分自身を洞察し、理解を深めれば良いのです。その方が、よっぽど素敵な仕事、素敵な人生に恵まれることになるでしょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。