なぜ働き、どう働くのかを考えよう

先日、ある自治体様でキャリアデザインの研修を担当させていただきました。

受講人数は約270名。この規模になると、研修というよりもはや講演ですね。

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私がこれまで担当したお仕事の中でも最大規模であり、普段とは勝手が異なって戸惑うこともあるかと思っておりましたが、

いざ始まってみれば20人でも200人でも、やるべきことは何も変わらないのだと改めて思いました。

 

  • 緩急をつけ、例え話を盛り込み、どうすればより伝わるのかを絶えず考え続ける
  • 聴衆の反応を確かめながら話を進め、状況に最も適した伝え方を試みる

 

その本質は大人数になっても変わらないことを体感できたのは、大変にありがたい機会でした。

貴重な機会をいただき、本当に感謝です。

外的キャリアと内的キャリア

キャリアとは、職業人生の連続した「つながり」を指します。

昇格、昇進、異動、転勤などの処遇上の変化から、新しい役割、プロジェクト、イベントなどの職務内容の変化まで、仕事を続けていると無数の「点」があります。

この点と点をつないで、一本の線として捉えた時、一貫したひとつのストーリーや意味づけが生まれます。
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これがその人の「キャリア」です。

単に職歴、経歴といった以上に、本人にとっての意味づけという深い意味を持ちます。

経歴、職種、昇格、昇進、異動など、他の人の目にも見えるものを「外的キャリア」と呼びます。

一方、やりがい、使命感、意味づけなど、心の中にあり、本人にしかわからないものを「内的キャリア」と呼びます。

 

外的キャリアには、自分の意思ではコントロールできないものも多くあります。

しかし、内的キャリアは自分の考え方や捉え方でいかようにも変えることができます。

内的キャリアを肯定的で価値あるものとすることで、結果的に外的キャリアが変わることもあります。

 

キャリアデザインとは、内的キャリアについて考えることからはじまります。

 

キャリアの自律を目指そう

たった十数年前まで、キャリアは結果論として捉えられることが多かったです。

 

新卒一括採用で就職し、定年まで勤め上げる。

その間、年功(勤続年数を功績として捉える)を評価するモデルに基いて、処遇や機会が与えられる。

キャリアは組織が定めたモデルに従って形成され、本人は与えられた職務を果たすことに集中する。

これが、従来の一般的なキャリア観でした。

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それからわずか十数年のうちに、私たちの働く環境は大きく変化しました。

 

●経済成長が鈍化し、従来の年功モデルの組織運営が機能できなくなりました。

(年次によって賃金が上がる仕組みを維持するためには、組織は常に成長していなければなりません)

 

●少子高齢化によって労働人口が減少し、ピラミッド型の組織が維持できなくなりました。

(一定の年齢でみな管理職になってしまうのなら、現場の人間よりも管理職の方が多くなってしまいます)

 

●個人の価値観や社会規範が変化し、労働市場の流動化が進みました。

(もはや転職はタブーではなく、職業(あるいは雇用主)を変えるのは普通のこととなりました。加えて、女性活躍推進やワークライフバランスの考え方も徐々に浸透し、みなが同じ枠組みの中で働くのには無理があることが、広く理解されています)

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経済のグローバル化や技術進化も加速し、組織自体の存続もいつどうなるかわからない環境です。

そうした状況下で、個人のキャリアを組織に依存して形成するのは、もはや限界です。

たとえ、同じ組織で引退まで働き続けることになるのであれ、自分のキャリアは自分自身で、主体的に計画していく必要があります。

 

自分軸を持つ

キャリアコンサルティングがアメリカから日本に渡ってきたのは、2000年前後。

それから十数年。外部の環境の変化は、なお一層激しく、見通しのつかないものになってきています。

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様々な作業が効率化、自動化され、職業や労働のあり方はますます変化し続けています。

従来は仕事であったことが、もはや人のやる仕事ではなくなっているものも少なくありません。

また、平均寿命の伸びや、年金財政のことを考えると、人が生涯において働く期間も、今後伸び続けるでしょう。

20年後、30年後は、65歳で引退するなど許されない状況になるかもしれません。

定年70歳、あるいは生涯現役という考え方が主流になっているかもしれません。

 

働く期間が長くなり、職業の転換も余儀なくされる世の中になれば、ますます人は

  • なぜ働くのか?
  • どう働くのか?

を考えることでしょう。

 

環境に振り回されるのではなく、自分のために、自分の意思で働き、自分の人生を生きるためには、職業観における「自分軸」を持つことが求められます。

働く一人ひとりが、自分軸を抱くべき時代に、今後ますます向かっていくことになるのではないかと思います。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。