自己理解と自覚1 人生の目的地は誰にでも必ずある!が、問題はその見つけ方

ブログをご覧のみなさま、こんばんは。小松茂樹です。

前回ご案内しましたセルフマネジメントの行動循環サイクル”STARモデル”について、今回から各プロセスの概要をご説明していきます。

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自己理解と自覚の流れ

マネジメントの父であるピーター・F・ドラッガーは次のように述べています。

P.F.Drucker

「一流の仕事をするためには、まず自己の強みを知ること。
そして、仕事の仕方を知り、学び方を知る。価値観を知る。
自己を知ることで、得るべきところがわかり、なすべき貢献が明確になる。」

仕事においても、私生活においても、さらなる高みを目指していくならば、まず自分自身のことを十分に理解する必要があります。

それができないことには、「これからどこを目指して、何をしていくべきなのか」を決めることはできません。セルフマネジメントは、自分自身の深い理解に基づき、目的と目標を設定することからはじまります。

このステップの最終目標は、自分個人の

・ミッション(何を目的として生きていくのか)
・ビジョン(その実現として、どういう姿・状態になりたいのかのイメージ)
・目標(いつまでに、どこに辿り着きたいのか。ビジョンの定量化)
・戦略(そのために何をしていくのか)

を明確に定めることです。

これらを定めることによって、私たちは着実に、自分が目指した場所へ進み出すことができます。そして、それが明確であればあるほど、実現のスピードが速くなっていきます。

目的と目標が明確な人は、周囲の環境がどうあろうとも、目指す方向へ着実に進んでいくことができます。よく、人生を「切り開く」という表現が使われることがありますが、道なき場所に道を作るのが明確な目的と目標の力です。

他人から見れば「それは無理だろう」と思えることであっても、それを実現してしまう人がいるのは、自分が進む道を自ら作っていくことができるからです。そういう人には周囲の環境は関係ありません。自分が決めたこと、それがすべてなのです。

逆に、これらが定まっていないうちは、仕事においても、人生全般においても、「ただ目の前の状況に対応している」という状態に過ぎません。言葉を変えれば、「受動的に生きている」ということです。

海図のない航海

この状態は、しばしば航海に例えられます。

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海図やコンパスを持たなくても、船は海に出ることができます。目的地を決めずとも、方向がわからずとも、ルートを決めなくても、波の流れに乗ることで、動いていくこと自体はできるのです。

時には激しい波もやってきます。それに対応し、船を守りながら前進を続けようとすることで、自分たちは「前に進んでいる」という感覚を味わうことができます。

波に流されていくうちに、どこかの陸地に漂着することもあります。時には、知らない場所に辿り着くこともあるでしょう。そして、現地の街や人が刺激的で楽しく、「この場所に来られて良かった」と思うこともあるかもしれません。

海という偉大な大自然の流れに乗ることで、私たちは十分に変化のある航海を送ることができます。これはこれで、楽しい旅になることもあります。

しかし、このやり方ではどこに辿り着くのかを自分で選ぶことができません

良い場所に辿り着くとは限りません。思ってもいなかった場所、来たくなかった場所に辿り着くこともあるでしょう。

あるいは、前に進んでいるつもりでも、風向きが変わってグルグル回っているだけで、元の場所から動いていなかったということもあります。つまり、「進んでいる気になっていた」ということです。

長い間どこにも寄港することができず、食料が不足することがあるかもしれません。気づいて慌てて、調達しに行こうと思っても、一番近い港町がどこなのすらわからないという始末になります。

後になってからそれを嘆いても、時間を取り戻すことはできません。流される旅は、どこに進むかわからないのです。

もしおぼろげながらにでも行きたい方向があるのなら、コンパスを持って、常に方向がブレていないかを確かめながら進んでいく必要があります。

しかし、方向だけわかったとしても、途中で岩山に遭遇して迂回を余儀なくされたり、逆流の波が激しくて前に進めなかったりして、先に進めなくなることもあります。海図を持って、事前にルートを決めておく必要がありますし、自分が今どこにいるのかを時折確認しながら進むことも求められます。

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これは私たちの人生全般にも言えることです。

波に流されながら漂流しているのではなく、目的地を決め、ルートを決め、装備を整えて航海に臨む。そして、海図とコンパスを使って、自分がいる場所を時折確認して、軌道修正を重ねていくことで、目的地に辿り着くことができる。

もちろん、時には強烈な波に流されることがあります。押し戻されることもあります。地図に載っていない場所が見つかることもあるかもしれません。目的地に到着するスピードも人によって様々です。思いのほか時間がかかってしまうこともあるでしょう。

しかし、位置確認と軌道修正を繰り返すことで、確実にその方向に足を進めることはできます。それだけでも、ただ波に流されているのに比べたら、着実に目的地に近づいて行けるのです。

セルフマネジメントをして生きるということは「主体的に生きる」ことです。目的地を決める。装備を整える。地図を確認する。航海の計画を立てる。海に出る。目的地を目指して進む。位置確認と軌道修正を重ねながら進む。STARサイクルは、この航海のやりかたを人生に置き換えたものです。

そして、当然のことながら、まず最初に決めるべきは目的地です。次いで、現在位置から見た時の進むべき方向です。一度これが定まったら、あとは行動計画を立てて実行していくだけ、ということになります。

目的地はどこだ?

すると、そこで問題になってくるのが、

自分の目的地がどこなのかがわからない

ということです。

しかし、これは考えてみれば当然のことです。それまで波に乗ってアテもなく海を漂っていた人に、急にコンパスと海図を渡されて、

「今からどこに向かいますか?」

と言われても、答えられるはずもありません。

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目標達成や成功、自己実現などのプログラムに取り組もうとして、最初にして最大の壁が現れるのがここです。私自身もそうでしたが、自分の目的地がわからないので、航海に出ることすらままならないのです。

その場合でも、はっきりとした目的地を決められなくても、進みたい方向を決めることはできます。北に向かうのか、南に向かうのか・・・少なくとも、方向を決めるだけでも、自分の意思に従って進み出すことはできるのです。

しかし、明確に目的地が決まっている場合と比べると、辿る足取りの正確さ、緻密さには大きく隔たりがあります。したがって、進むスピードも異なりますし、環境変化への対応力にも大きく差が開いてしまいます。やはり、目的地を決められるに越したことはありません。

そして、あえて断定で書きますが、私の考えでは、

成人した大人であれば、どんな方にでも目的地は必ずあります

なぜなら人生の目的地は、それまでに習得した知識、やってきた経験、その過程で培った自分の興味・能力・価値観・役割が、日々の生活における感情の起伏を触媒として、自己組織化されて形成されるものだからです。

したがって、十分な社会経験と学習(学校の勉強という意味ではなく、知恵を身につけるという意味です)経験があれば、どなたにでもできあがってしまうものなのです。

しかし、問題は「その目的地がどこか」という答えは、普段自分が意識できるところにはないということです。その答えは潜在意識(無意識)にあります。意識の中の、自分の意思でアクセスすることのできない部分に潜んでいます。

人生の目的地を見つけるためには、潜在意識に意図的にリーチしなくてはなりません。無意識にあるものを、通常の意識(顕在意識)に引っ張り上げてくる必要があるのです。つまり、目的地は意図的に決めるものではなくて「自覚」するものだということです。

そのためには、潜在意識と顕在意識の情報交流を強制的に発動させるために、集中的かつ徹底的に自分の生きてきた軌跡を振り返る必要があります。

・自分はどのような人生を生きてきたのか(過去)
・自分は何に価値と喜びを見出すのか(興味と価値観)
・自分は誰に対して、何をすることができるのか(役割と能力)

自分自身がこのことを深く理解すること。これが自己理解です。

自己理解を深める方法は大きく3つあります。

1.過去→現在のアプローチ
2.未来→現在のアプローチ
3.1と2を踏まえたセルフイメージの明確な言語化

であり、これに外部環境との照合と統合を加えて、個人のミッション・ビジョン、目標、戦略ができあがります。

次回は、自己理解の手法についてお話していきます。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。