残業地獄から抜け出すために必要なこと

先日Facebookを見ていたら、こんな記事を見かけました。

ひとりのベトナム人が思う「日本人って幸せなの?」という投書に多くの反響―FUNDO

読んでいるうちに、昔のことを思い出しました。

長時間労働の源は「盲目な労働」

私は、最初に努めていた会社で未払残業代の請求をしたことがあります。(といっても、会社からの指示で対象者全員が請求したので、個別に行動したわけではありません)

当時は、終電で帰れれば良い方。遅くなればタクシーで帰るか、ポケットマネーでカプセルホテルに泊まるか、という状況でした。

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当然、肉体的に相当にキツく、出社できずに点滴を打ったこともあります。しかし、その日でさえ午後から出社し、やはり終電で帰った覚えがあります。

「なぜ、その状況を抜け出さなかったのか?」と、今からであれば考えることができますが、不思議なことに当時は会社を辞めることは考えていませんでした。

そこでしか働いたことがないので、仕事とはそれくらい厳しいものだと思っていましたし、それ以上に、目の前の膨大な量の仕事を処理することで頭がいっぱいで、とにかく気合と根性で毎日を乗り切るしかないと考えていました。

よく言えば責任感が高かったとも捉えることができますが、見方を考えれば、視野が狭く盲目だったとも言えます。

当時の自分に会うことができるなら、

  • 世の中はもっと広く、無数の仕事・職場があること
  • 私たちは、それを自由に選択できる権利があること
  • 業務の構造を変えない限り、どれだけ気合と根性で頑張っても、状況が好転する余地はないこと

を教えてあげたいと思うくらいです。

結果的に、それから約2年後にこの会社を去る選択を取ったのですが、不思議なもので、去る決断をしたのは目が回るような忙しさの中ではありませんでした。

残業未払請求の後、会社は労務管理を徹底し、私も遅くても21時、早ければ18時には帰るような生活を送るようになりました。

状況は落ち着き、心の中に平穏が生まれ、自分の将来に対して思慮をめぐらせる余裕が出た結果、自分の人生に別の可能性を見出して、会社を去る決断をしました。

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出世もし、人間関係にも恵まれ、極めて順調な職業生活を送っていました。決して会社が嫌いだったわけではありませんでしたし、名残惜しさもありました。

最終日に送別会を開いていただいたのですが、歴代の上司・同僚がみな集まっていただき、溢れる涙をこらえるのに必死だったことも覚えています。

それでも、キャリアを変える選択を取ったことで、私は新しい領域の仕事に取り組むようになり、できることの幅が増えました。

私生活も充実しました。仕事以外のことをする時間、仕事以外の人間関係を持てるようになり、人生の豊かさが格段に広がりました。

今から考えれば、私が今こうして好きなことを仕事にできる幸せな人生を送れているのも、この決断がとても大きな分岐点であったと言えます。

必ずしも転職が必要なのではありません。大事なことは「視野を広く持つこと」「自分の豊かな人生を願うこと」なのです。

「働き方改革」の最大の敵

政府がいま「働き方改革」を重要課題と掲げていますが、残業が慢性化している組織を改革するためには膨大なエネルギーが求められます。

そしてそれは、ルールや制度の制定、管理監督者の指導・教育、業務改善やIT導入、個々人のスキルアップ・・・といった施策だけで実現できるようなものでは、到底ありません。
最も手強いのは「長時間労働を当然とする“文化”」です。

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かつて私がそうだったように、自分がいま置かれている状況を当然のものとして、盲目的に仕事をしている限り、どれだけ施策を重ねても残業はまずなくなりません。人間は習慣化された行動に戻ろうとする習性があるからです。
最も大事なのは、働く一人ひとりが「自分の人生をより豊かにしたい」という想いを強く抱くことです。

視野を広げ、自分の将来に展望を抱き、それを実現できるだけの能力と可能性が自分にあることを心から信じて、今できることからすぐに始めることです。

制度設計も業務改善も能力開発も、それを活かすためには、それを動かす人々の強いエネルギーが欠かせません。

そして、そのエネルギーの源は「自分自身が幸せになりたい」という強烈な欲求を抱くことです。

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自分が幸せになれば、周囲の人を幸せにできます。周囲の人がみな幸せになれば、世の中全体が幸せになります。

なぜなら、人の幸せは自分だけで実現できないからです。自分が幸せになるためには、自分の身近にいる人がみな幸せである必要があります。

自分の幸せを追求することは、結果的に、みんなの幸せにつながるのです。

まず、自分の幸せを心底願うこと

これが様々な現実問題を解決する、強力なエネルギー源になるはずだと、私は思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。