「時間がない」を禁句にしよう! 〜時間欠乏症から逃れる3つの原則〜(後半)

前回、「時間管理の3つの原則」と題して、そのうちの2つ

  • 原則1:時間はあると思えばある!ないと思えばない!
  • 原則2:やることベースで時間を見ない!時間ベースでやることを決める!

について、お話しました。

今回は最後の原則についてお話いたします。

原則3:生産性を極限まで高める!

時間に対する捉え方を変え、時間ありきでやることを組み立てたら、後は生産性を極限まで高めて、時間の「密度」を上げていきます。

これには、大きく3つの方法があります。

ひとつ目は、「集中できる環境」を作ることです。

例えば、私は企画を書いたり、セミナーのカリキュラムや原稿を書くなど、本当に集中したい時には

  • 携帯電話の電源を切っておく
  • メールソフトを閉じておく
  • 会議室や喫茶店にこもる

などして、作業(思考)を中断するリスクを可能な限り予防するよう努めます。

「緊急の連絡が入ってきたらどうするんだ?」と思われるかもしれませんが、本当に緊急な時は、相手はあらゆる手を駆使して連絡を取ろうとしてくるものです。

上司や同僚など関係者に、あらかじめいる場所を伝えてさえおけば、他の何かしらのルートから、必ず連絡は入ってきます。

そもそも、一分一秒を争う本当の緊急事態など、そうそうあるものではありません。たいていのことは、後で連絡すれば済むものです。

「急ぎだ」と言って電話をかけてくる人の多くは、自分で考えたり、判断したり、確認するのを怠って、その労力を転嫁しようと試みているようなものです。

かなりの部分が自力で解決できるはずのことです。また、仮に本当に聞かなければわからないことでも、「今すぐ」でなくてはならない理由はさほど多くはないものです。

仕事が進まない原因は「集中できないから」です。生産性は集中力によって大きく変わります。スマホゲームに熱中する子どものように、夢中になって仕事をすれば、激的なスピードで物事が片付いていきます。

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ふたつ目は、「ある程度、見通しを立ててから実行する」ことです。

「やってみなければわからない」と言って、何も考えずに行動をしても、必ずしも良い結果を招くとは限りません。

「現代ビジネスはスピードが勝敗を喫する」と言われますが、早ければ良いというものではありません。求められるのは「質の高い」スピードです。

初動が早いことも大切ではありますが、それ以上に大切なのは「情報収集と決断の早さ」です。

私の知りうる限り、本当に優秀な人は行動も早いですが、実行に移す前に脳内で行うシミュレーションのスピードが圧倒的に早く、そして速いのです。

判断に必要なだけの最低限の情報収集を素早く行い、その時点で最善と思われる判断を瞬時に下します。すなわち、速い判断を早く行い、行動の計画を瞬時に描くのです。

行動のプロセスと想定される結果がすでに描かれているから、行動に迷いがない。したがって、行動のスピードそのものも速くなります。「早く、そして速い」これが真のスピードです。

もちろん、その場合でも「やってみなければわからない」ことは発生します。

初期段階で入手できる情報量には限りがあるので、起こりうるすべての可能性を想定することは困難です。したがって、「不測の事態」は付きものではあります。

しかし、その場合でも、真に優秀な人は「修正のスピードも速い」です。なぜなら、計画の概略がすでに描かれているので、どこをどう修正したら本流に戻れるのかが瞬時に判断できるからです。軌道修正の労力と時間を最小限にとどめられるのです。

一方、「やってみなければわからない」を文字通り捉えて、出たとこ勝負を続けていると、プロセスを進める度に毎回判断が必要となり、軌道修正も迫られます。初動が早くても、その後の行動のスピードを持続できないのです。

行動に移す前に、可能な限り先の展開を予測し、頭の中でその計画をイメージとして描いておく。それが早くて速ければ、実行のスピードも高い水準で持続できます。生産性が大きく向上するのです。

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三つ目は、「ITツールを使いこなす」ことです。

高度に情報化された現代は、何をするにもパソコン、スマホ、タブレット・・・の世の中です。どんな仕事に就いたとしても、ITツールと無縁ではいられません。

土木・建築・製造の現場でも、スマホで撮影した社員をクラウド上のデータベースにデータ転送するような時代です。個人商店の顧客名簿管理や会計管理ですら、パソコンやタブレットを使って行われています。

そうした状況下においては、ITツールへの習熟度や理解度が、時間の使い方を大きく左右すると言っても過言ではありません。

キーボードの操作スピード、ファイルやデータの検索スピード、データ管理の一元化や単純化、デバイス(機器)間のデータ連携への理解・・・

こうした事柄への習熟度や理解度(すなわち「使いこなし」度合い)が、何倍もの生産性の違いを生み出します。

かくいう私自身、今でこそIT機器を使用することを得意としていますが、社会人になりたての頃は、その理解度は決して高い方ではありませんでした。

(そもそも当時は、パソコンもインターネットも個人に普及しているとは言い難い状況で、大学の図書館にはパソコン利用者が長蛇の列をなしていました)

就職し、配属先での仕事をする中で、必要に迫られてパソコンの使い方を学んでいったのが最きっかけです。

しかし、周囲にパソコンが得意だった方がいなかったのを見て、「パソコンが得意になれば、他の人にできない仕事のチャンスが生まれるのではないか?」と考え、Microsoft ExcelやAccessを使った計算や簡単なプログラミングを自発的に学ぶようになりました。

やがて、これが自分の強みのスキルとして最初の転職に役立つこととなり、その後はITツールに関する見識が役割として求められるようになったことから、データーベースやハードウェアについても学ぶようになりました。今は、これが業務の効率化・時短化に役立っています。

ITツールをうまく活用することで、手作業では1時間かかる仕事が5分で終わるようにもなります。単純作業、定型作業を極限まで自動化・省力化することで、もっと注力しなければならないはずの「思考を巡らせる仕事」「人間関係を築く仕事」に時間を割くことができるようになります。

時間をかけるべきところに時間を投資し、他のところになるべく時間をかけないで済むような環境を作り出す。ITはその環境づくりに大きく貢献してくれます。

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かつてアインシュタインは相対性理論を通じて、人間の体感する時間は絶対的なものではなく、相対的なものであることを説きました。

時間があるのか、ないのかは自分次第だと言えます。

現状を「時間がある」と捉え、その中で本当にやるべきことを厳選し、生産性を極限まで追求して、本当に大事なことに大きく時間を割けるようにする。

それが余裕を自信、精神的な豊かさを生み、良い仕事・良い人生へとつながるのだと思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。