仕事が集まる人、仕事が来ない人

「仕事を頼むなら、忙しい人に頼め」というフレーズがあります。

忙しい人は、多くの仕事を抱えている。そして、多くの仕事を抱えているということは、それだけその人に仕事が集まっていることであり、つまりその人は仕事がデキることを意味する・・・という意味で用いられます。

仕事がデキない人には、仕事が来ない。だから忙しくない。いくら時間が空いていたとしても、その人に仕事を頼んでも良い成果は見込めない。したがって、たとえ忙しかったとしても、仕事が集まっている人に仕事を頼むべきであるという考え方です。

実際、私も他の方に仕事を依頼する際には、物理的に不可能なスケジュールでない限りは、仕事が集まっている人に仕事を頼みます。たとえ、納期ギリギリの計画になるというリスクを負ってでもです。

もちろん、要領が悪かったり、能力が低かったりして忙しくなっている人もいるでしょう。しかし、そういう方は周囲から見ていても、なんとなくわかるものです。仕事がデキて忙しい方は、大量の仕事を抱えていて忙しいのです。

その意味では、「仕事を頼むなら、たくさんの仕事を抱えている人に頼め」という表現が正しいかもしれません。

「仕事の報酬は、次の仕事」という言葉もあります。仕事で良い成果を出すと、その能力や取組姿勢を評価されて、さらに高次の仕事、スケールの大きい仕事を頼まれるようになるという意味です。もちろん、よりレベルの高い仕事を担うことになるので、結果的にその人は成功の道を辿ることになります。

「仕事が集まる人」と「仕事が来ない人」の差はどこにあるのでしょうか。

その差を隔てる要因は、大きく3つあると私は考えます。

1.最後までやり抜く力

仕事を頼む側の心理として最も恐れることは、頼んだ相手が仕事を途中で投げ出してしまうことです。

比較的早い段階であれば、まだリカバリがきくかもしれませんが、納期が目前に迫った状態で「やってみたけどダメでした」と途中でサジを投げられてしまっては、もはやどうすることもできません。顧客や関係者に迷惑をかけ、最悪の場合は損害を被ることになります。

引き受けていただいた以上、なんとしても最後までやり遂げていただくことが期待値になります。

もちろん、ビジネスには予期せぬ出来事、不測の事態などの問題はつきものです。見込んだとおりに仕事が進まないこともあるかもしれません。

しかし、たとえ問題が発生したとしても、そこから逃げずに、なんとかして解決しようとする姿勢を貫けるかどうか。簡単に諦めたり、投げ出したりすることなく、できる最大限の成果を生み出してくれるかどうか。

依頼する側はそこからまず、その人の仕事に対する姿勢、すなわち責任感を見るのです。

そして次に、姿勢だけではなく、実際に問題解決能力が備わっているかどうかが問われます。仕事に対する責任感と問題解決能力の両方がある時、そこに「この人に頼めば、なんとかしてくれる」という安心感が生まれます。

これが「次の仕事も、この人にお願いしよう」という連鎖を生み出し、仕事が集まる状況を作り出すのです。

加えて、最初の仕事で期待に応えると、その人に対する評価が上がるので、次はさらに大きい仕事、レベルの高い仕事を頼もうという気持ちになります。それらに一つひとつ応えていくことで、さらに力をつけていきます。

結果として、仕事が集まる人はどんどん能力に磨きをかけていくことになるのです。

2.チャレンジ精神

仕事をお願いしても、諸事情によりお断りされるケースもしばしばあります。

引き受ける以上は、しっかりと仕事を果たさなければならないので、他の仕事で手一杯となりスケジュールが確保できない場合は、安易に引き受けることができません。間に合わなかった場合、結果的に相手に迷惑をかけることになってしまうからです。

これは仕方のないことで、私が逆の立場でもたびたび生じています。しかし、その場合は「今は時間が取れませんが、○○以降であれば対応できます」「また別の機会の時に、またお声がけください」など、前向きな表現でお断りするものです。

ところが、中には「わかりません」「できません」「それは私の仕事ではありません」といった具合に、引き受けようという姿勢を示すことなくお断りされるケースもあります。

仕事を頼む側は、困っているから、助けて欲しいから頼んでいるのです。加えて、能力的に無理な相手に頼むはずはなく、「この人ならできるだろう」と思って頼んでいるはずです。

したがって、まずは自分を選んでくれたことについて、相手に対して感謝を示すことが必要です。そして、どこまでの範囲なら自分にできるかという現実的な着地点を探ろうとし、「なんとか期待に応えたい」という姿勢を示すことが大切です。

はなから「私には関係ない」という態度を取られてしまうと、二度とその人には何かを頼もうという気にならなくなってしまいます。今後の仕事を遠ざけることになってしまうのです。

また、現状の自分にとっては少し難易度の高い仕事であっても、自分の能力をさらに引き上げるチャンスだと捉えられる人は、チャレンジしようとする姿勢を示してくれます。

いまの自分を基準にして、その範囲内でだけ仕事をしようとする人に、今後の能力向上は期待できません。当然、そういう人に仕事を頼みたいとは思わないものです。

3.プラスαの努力

さらに一段上を行く人は、依頼した仕事に期待以上のレベルで応えてくれます。依頼者の目的やイメージを想像して、自身の経験や能力を交えて、あるいは時間をかけて丁寧に取り組み、依頼者の想定を超える成果を返してくれるのです。

期待通りに応えるだけでも十分ではありますが、期待を上回る成果を得られると、そこに感動が生まれます。依頼した方は、すっかりその人のファンになるのです。当然、「次も頼むなら、ぜひこの人に」となります。次々と仕事が集まってくることになるのです。

「期待を上回る」と書くと、何かすごく特別なことをしなければならないようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、期待値をわずか1%程度でも上回れば、それは「期待を超えた成果」になります。すなわち、依頼内容に対して常に101%で応えようとするだけで、常に感動を与えられる人になるのです。

「相手のために、あともう一つだけ、何か自分にできることはないか」

自分自身にこう問いかける思考が自然にできるようになれば、自ずと仕事の成果は向上していくことになります。それが自分のファンを生み出し、次の仕事を呼ぶようになるのです。

まとめ

仕事が集まる人には、

  1. 最後までやり抜く力
  2. チャレンジ精神
  3. プラスαの努力

が備わっています。

これは業種や職種を問わず、どんな仕事にも共通する不偏的な要素です。環境変化が著しく、先の読めない世の中と言われて久しいですが、仕事が集まってくる人が路頭に迷うことはありません。

仕事の報酬は、さらなる仕事です。「次もあなたにお願いしたい」と言われる人であり続ける限り、世の中がどうなっても、しっかりと生きていくことができると言えるでしょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。